ゼロサムゲーム
英語ではZero-sum game(ゼロ・サムゲーム)で、そのまま日本語になりました。ゲームにおいてある人物の収益は他の人物の損失に一致し、足すとゼロになるという理論です。
ゲームが行われるフィールドのサイズは決まっているので、うまく交渉しても大きくなることはありません。あらかじめ決定された範囲の中で参加者が競い合うことになります。
ゼロサムゲームとして代表的なものはポーカーや競馬などのギャンブル、そしてFXです。
株式はゼロサムゲームだと勘違いしている方が多いようですが、ゼロサムゲームではありません。相場だけ見ればゼロサムゲームに見えますが、企業価値が存在するからです。上昇すれば皆が儲け、下落すれば皆が損をするのが原則です。
ブル市場では企業価値は増加し、給与が上がり、雇用が増え、収入も貯蓄も増え、さらなる投資へという好循環に繋がっていきます。経済力、国力が増加していくわけです。ベアマーケットはその逆です。つまり、ブルマーケットではWin-Win(ウィン・ウィン)であり、皆がハッピーなわけです。ブル市場がマーケットで好まれるのはこのためです。ウォール街に設置されているのは熊ではなく雄牛の銅像であることもうなづけるでしょう。
ベアマーケットではLose-Lose(ルーズ・ルーズ)の状況です、もちろん空売りを仕掛ける投機家を除いての話ですが。
反対にFXでは、 米ドル/円が上がっても下がっても、利益をあげる人はいるし、損失を出す人もいるということで、ゼロサムゲームだとなります。
ちなみに、二人の人物のゼロサムゲームが、行動心理学や社会心理学の影響を受けながら発展していった学問が、ゲーム理論です。複数の人物が相互に関わる際の意思決定の戦略を数学を用いたモデルで解明するというものです。
ゴーン会長の逮捕で日本でも知られるようになった司法取引を使った「囚人のジレンマ」というケースが有名でMBAではお馴染みの理論です。FX入門者や初心者の方も覚えておいて損はないでしょう!
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