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マイケル・エイブリー:米国はハイアー・フォー・ロンガーが続くが他国は追随できず、中期では米ドル高!

ゾルタンのブレトンウッズ3体制について現在わかりやすく説明してくれているのがマイケル・エイブリー(Michael Every)です。米国のヘッジファンド運営の友人が教えてくれたオランダの農林中金のようなRabobankのシンガポール在住のストラテジストです。日本では全く知られていないので紹介してみることにしました。

 

タッカーのプーチン大統領のインタビューではゾルタンの論文がプーチン大統領に利用されている!

MSNBCやFOXで冠番組を持ち、政治番組のアンカーキャスターとして米国一の人気と実績を誇るのがタッカー・カールソンです。このタッカーが訪露しプーチン大統領にインタビューした動画がX上で公開されると、米国では大きく報道されました。このインタビューで大統領は、

  1. ロシアとウクライナは同族であり同じ歴史と宗教を共有する

2. エコノミストに書かれているように、ゴルバチョフ・ベイカー会談でドイツを除いたNATOの東方不拡大の約束があったが守られなかった

3.同じ歴史を持ち国境を隣接するウクライナにまで新米政権が樹立されるのは安保上見逃すわけにはいかず日経にあるマイダン革命の際に軍事介入してクリミア半島を占領した

と解説しています。こうした経緯を全く知らされていなかった米国民は、動揺することとなりました。1961年のキューバ危機では米国がCIAの先導のもとキューバに侵攻、失敗後もカストロ政権転覆を画策、対抗したソ連がキューバに核ミサイル基地を建設を計画、第3次世界大戦勃発の危機となったことは歴史的事実であり、プーチン大統領の言い分も理解できるからです。 この後共和党の反対でウクライナへの追加援助は決定せず、下院を通過したのはロイターにあるように4月20日です。台湾への安全保障支援も同時成立したのでG7側は一安心でしょうが、イスラエルの支援へはアラブ諸国はもちろん欧州や米国内にも反対が強いので、BRICS+対米国の対立が激化する状況となるでしょう。ロイターの記事で分かるように米国では各地の大学でイスラエルへの抗議のデモが再び起きています。

 

そしてゾルタンが主張していた、「西側社会主導の米ドルベースでのロシアの資産凍結と米ドルの武器化」についても批判しています。米ドルの武器化は米国の戦略上大きな誤りであり、多くの国に資産凍結を警戒させる大きなシグナルとなった。同盟国である西側諸国でさえ米国国債の購入を控えているというのです。さらに中国が湾岸諸国にアピールし、原油取引での米ドルから人民元の使用の動きが始まっているとも述べています。米ドルの武器化により米国は自ら国力を低下させているというわけです。ゾルタンの理論はロシアや中国、サウジなどの動きを肯定することになります。これではゾルタンがニューヨークを拠点に発言を続けるのは困難ではないでしょうか?ピーターやマイケルに頼るしかないようです。

 

ニアショアリング規制と紅海航路から喜望峰航路への代替、紛争の継続でインフレは続く?

ゾルタンが主張していた中国から中立国のインドなどへのフレンド・シェアリングはさらに進化しています。インドがロシア産原油を輸入・精製して再輸出、BRICS+加盟国であるからです。米国にとっての同盟国の日本やメキシコなどの近隣国、自国への半導体からテキスタイルまでの工場誘致のニア・ショアリングです。しかし、メキシコへの中国企業進出で有名無実化しつつあり、米国政府による規制が入る可能性があります。そして、中国からの輸入に比較すると高価格となり、インフレ要因となります。

 

そしてロイター2月のニュースのイランに支援されたイエメン武装組織フーシによる紅海上での英国商船攻撃以来、欧州や米国東海岸からアジアへの輸入はアフリカ大陸最南端の喜望峰周りに変更され新たなサプライチェーンの混乱が生じています。国際農研の記事が詳しいので添付します。これもインフレ要因です。

 

イスラエルとイランとの紛争危機で原油価格は上昇、各国中銀による金の購入は続いています。ウクライナやイスラエルでの紛争、台湾有事への懸念で軍事費は増大しています。

 

以前に紹介したゾルタンの記事にあるインフレを長期化させる4つの産業政策1.軍備増強、2. 自国へのサプライチェーンの再構築、3. コモディティ在庫の拡充、4. エネルギーのESG化)のうち、沈静化してきたのはESG化のみであり、他の3つは予言どおりとなっています。インフレが再燃してきたのは当然ということでしょう。

 

そして金利上昇にも関わらず、ゾルタンがブレトンウッズ3体制を発表した2022年3月に約1,800ドルだった金利のつかない金は現在2,350ドルと30%も上昇しています。ゾルタンの予言に従っていた方は、資産を大きく増やしていることでしょう!マイケルによると、インフレを抑えるためにはFEDは高金利とQTを続けることとなります。

 

クリーンエナジー先進国の欧州が方向転換!製造業も内需も弱く金利と経済格差でユーロ安に?

ドイツの製造業は、ウクライナ紛争が起きるまで、ロシアからの安価な天然ガスに依存していました。しかしその供給が絶たれインドやトルコなど第三国経由となり価格が大幅に上昇、化学大手BASFが本社工場を中国に移す決定をしたのは上記のゾルタンの記事に書いたとおりです。天然ガス価格は落ち着いたものの、ウクライナ侵攻前の3倍だそうです。BBC の記事にあるように、2023年4月にドイツでは原子力発電所をすべて停止したことも、エネルギー価格高騰を増長させています。

 

素材産業だけでなく、自動車産業も最大輸出先の中国の不動産不況とBYDの躍進でロイターの記事に書かれているように中国からの輸入が急増、輸出は急減しています。VWは中国市場でのシェアがBYDに抜かれました。中国は日本を抜き、2023年には世界一の自動車輸出国となっています。

 

ハイブリッド推進のトヨタ潰しのためのEV促進策は反故となり、2035年のガソリン車新車販売禁止も延長されました。EVやその製造に多くのCO2を発生させるクリーンエナージーへの促進にはブレーキがかかっています。EV用のリチウムバッテリーや太陽光パネルの最大供給国は中国であり、G7としては西側諸国での生産が増えるまではEVやクリーンエネルギーを促進できない事情ができたわけです。マイケルによると、ドイツはインターネットの速度は世界で36位であり実はAI、半導体、スマホなどの先端技術では弱小国で、伝統的な重厚長大産業に頼ってきたそうです。そして、ドイツの工業国としての時代は終わったとまで語っています。

 

2023年末のパウエル発言に端を発したウォール街の2024年は3月から6回の利下げを実施するという馬鹿げた予測は、完全に剥げ落ちました。FEDの3回との乖離は完全に解消され、現在は9月と12月の2回、4.75%〜5%という意見が主流となっています。最近発表される米国指標を見ると、米国経済は強く、インフレが戻りつつあるというピーターの予想と一致してきたからです。2024年末時点の4.75%〜5%という金利予想は、FEDの目標の2%には程遠く、以前紹介した中立金利は3%などに上昇しているのではという記事を見かけるようになってきました。ゾルタンの唱えた呪文「ハイアー・フォー・ロンガー」は米国ではまだまだ続きそうです。

 

それに対して、輸出が増えずエネルギーなどコモディティを輸入に頼りGDPが成長しない中でのインフレであるスタグフレーション状況の欧州では6月からの利下げが見込まれています。ブルームバーグの記事が指摘していますが、ドイツでは2011年から10年以上も続いていた不動産市場も2022年第3四半期をピークに下落に転じ、2023年第3四半期には二桁の落ち込みとなっています。不動産金利の高騰により売り手がおらず高値が続く米国不動産市場の状況とは正反対です。金利差だけでなく、経済成長でも差が広がりつつあり、中期的なユーロドルの下落が予想されます。

 

このようにゾルタンの予言のうち米ドルの下落は10年単位の長期の話でまだ起きていません。しかし、、コモディティの上昇は既に始まったと言えるのではないでしょうか?ブルームバーグ英語版によるとトレーダーは金や原油だけでなく、銅やアルミニウム市場にも強気になっているようです。

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