FX初心者向け入門・始め方と口座比較

エマージングマーケット/エマージング通貨

英語のemerging market(エマージングマーケット)がそのまま日本語となりました。日本語ではエマージング市場とも呼ばれます。

 

出現するを意味するemergingから転じて、新興国市場を指します。BRICと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国に南アフリカを加えたBRICSをはじめ、東南アジアや中東欧諸国が含まれます。

 

そしてエマージング通貨とはそのままズバリ、エマージングマーケット国の通貨を指します。英語ではemerging market currency(エマージングマーケット・カレンシー)となります。

 

エマージング市場は経済がまだ弱体で外貨準備高を少ないため、金利を極端に高く設定し、海外からの資金を集めようとする特徴があります。そのため、エマージング通貨FXにおいては特にスワップ取引では高収益を期待でき、人気となっています。また、経済が急成長しているため大きなリターンを期待できるので、リスクオン時には買われることになります。

 

反面、独裁者や軍事政権が幅を効かせる為、地政学リスクや政治リスク、ハイパーインフレスタグフレーション、通貨危機など経済的リスクも高く、投資するにしても投資信託などのリスク限定商品に留めるのが無難でしょう。

 

特に、経常赤字国は要するに財政が破綻しているわけで、高金利で海外の投資家からの資金を調達しているに過ぎません。金融市場は未発達で自国通貨の取引量が極端に少ないので、海外へ巨額の資金が流出すると変動が激しく底が見えなくなる危険があります。

 

アジア通貨危機 に見舞われた韓国や東南アジア諸国、アルゼンチン、トルコなどは過去に通貨危機を経験しています。2018年8月にはトルコリラの暴落があり、年初との比較では50%ほども下落しました。その後も下落を続けており、2020年頃からは、人気はメキシコペソに移っています

 

2018年夏のように米国の金利上昇が懸念されたり、米中貿易摩擦などが起き、リスクオフとなると、レパトリエーションが起きて先進国への資金回避が進見ます。エマージング市場からは資金が回収されるわけですから、通貨安が進みます。トルコリラショックはまさにこうしたことが要因で起きました。2019年には先進国の中央銀行の相次ぐ利上げ打止め宣言で、再びエマージング市場へ資金が回帰しました。新型コロナウイルス流行後は世界的な金融緩和の中、行き場のないマネーはエマージング通貨にも流れ込み、2020年を底に上昇に転じています。

 

しかし、2021年11月現在、インフレ懸念と先進国での利上げがくすぶる中、新興国通貨は再び下落に転じています。金利が高くなってくると、負債国である新興国は金利の上昇した分だけ返却額が増えるので、資金が流出しやすくなるからです。インフレには注意が必要です。特にトルコリラは、2021年にもエルドリアン大統領の圧力で利上げするどころか利下げに動いた影響で、11月19日には市場最安値を更新、10円10銭となっています

 

ただし、今後公開される「低金利時代のスワップトレードはトルコリラや南アランド、円高水準で参入!」という今井先生による本文記事には、10年間の長期投資をするならば利率が10%以上あれば為替差損が100%でも利益が出ると書かれています。2020年は長期投資の際のまさに買い場だったということです。資源国通貨はインフレでも強そうなので、メキシコペソや南アフリカランドの長期の買い場探しをするのもありかもしれません、もちろん全体の5%ぐらいがマックスでしょうが。

 

FXにおいてのエマージング通貨への投資は捨ててもいいと思えるぐらいの資金で行うか、少額の余裕資金に留めるのが無難です。ギャンブルに近いと言えるでしょう。入門者や初心者の方は、高金利につられて安易に投資をしないように気をつけてくださいね

 

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